読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

フリースタイルフットボーラー&トリリンガルカメラマンmasatoのブログ@グアテマラ滞在中

世界で唯一英語・スペイン語・日本語の3ヶ国語でフリースタイルフットボールを教えられる男です。プロフィール写真撮影もしています。

リーダーの資質

「切羽詰まった極限の状態でギャグを言えるか」
他にも多くの要素があるかと思うが、前職での実体験に基づいて1つ挙げた。




 新入社員研修を担当していたことがある。研修では、カリキュラムや資料を挟んだファイルを新入社員の人数分用意することになっていた。4/1入社なので、遅くとも3/30までにはファイルを完成させておく必要があった。
  研修の準備に取り掛かり始めた3月中旬に余裕をぶっこいたせいで、3/31の定時になってもファイリングは終わらなかった。入社日を翌日に控えた3/31の夜中、自分の仕事を切り上げて他の担当者2人がファイリング作業を行う別室に向かうと言葉を失った。数百枚の紙が床一面に敷き詰められていた。3/31の夜中だというのに、ファイリングは全く終わっていなかった。
 黙って淡々とやるしかなかった。3人とも口には出さないが、責任逃れの雰囲気と苛立ちが充満していた。「こうなったのは自分のせいではない。」「もっと早いうちからやっていれば…。」空気は最悪だった。
 そんな時、隣で作業していたWさんに話しかけた。こんな時でもこの人は話しかけやすい雰囲気がある。「Wさん、ヤバいっすね。徹夜かも知れないですね…。」するとWさんは、何かこう、こもったねちっこい声で返してきた。「うん、ヤベ~ヨ~。」
 普段と全く異なる声だったので不安になった。「どしたんすか?疲労で口が回らなくなりましたか?体調悪いんですか?!」「違う違う、これボビーの真似だよ。この状況ヤベ~ヨ~。似てるっしょ?」
 Wさんはタレントのボビー・オロゴン氏のものまねをしていたのだ。この状況で…この人はボビーの声で「ヤベ~ヨ~」と言っている…。全てを理解した瞬間、床の僅かに空いたスペースに笑い転げた。本当はそんな時間さえ惜しいのに、腹がよじれながら5分ほど全力で笑った。





明らかに空気が変わった。ヤベ~ヨ~効果により何とかファイリングを終えることができた。





 天才だと思った。リーダーの素質があると思った。大卒のぼく(当時25歳)は余裕なんか微塵もなくてギャグなどとても言えなかったが、高卒のWさん(当時30歳)はあの追い詰められた状況下でギャグを言った。人事という仕事柄、どうしても学歴で人を見てしまうことがあるのだが、そんなの関係ないぜとボビーを通じてWさんは教えてくれた。





 この技はハイリスク・ハイリターンの諸刃の剣だと思う。すべったらチームは確実に空中分解する。Wさんの真似をするのは相当難しいだろうし、センスも要ると思う。だがキマったときの効果もまた絶大だ。
 日本人って仕事にユーモアを持ち込むのって苦手で下手じゃないですか。だからあえて推奨したい。「切羽詰まった極限の状態でギャグを言う。」